
ここ数年、大型台風の上陸が目立っています。
そんな状況で、台風による強い風によってトタン屋根が吹き飛ばされるニュースを目にしたという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
さらに、近年では台風だけでなく竜巻やつむじ風の発生も増えているようです。
こうした天災などを事前に防ぐということはできませんが、来た時に準備ができているということは非常に大切です。
ここでは、そういった強風から屋根を守るための対策法を、考えてみましょう。
■屋根の形状と強風被害の関係
屋根にもさまざまな形状がありますが、一般的に「軒が深い屋根ほど強風で飛ばされやすい」といわれます。
とりわけ風の影響を受けやすいのが「片流れ屋根」。一枚の屋根が一方向に傾いた形状の屋根で、戸建住宅だけでなく倉庫にも多いパターンです。
1枚屋根ですから、どちらか一方から強風を受けると屋根がめくり上がり吹き飛ばされることがあります。
このほか、日本家屋でもっともメジャーな「切妻屋根」も、軒が深いと強風被害にあいやすいとされますし、一般的には風に強いといわれる「入母屋屋根」も、その複雑な形状からひび割れなどを見逃したことによる強風被害が多い屋根といわれています。
■屋根材別の特徴と注意
もちろんですが、いずれの形状でも、強風被害を最小限に抑える屋根材を用いることで対策を施せます。
ここで代表的な屋根材について、それぞれの特徴と注意点をみていきましょう。
・瓦屋根
重量があり、強風被害にあいにくいことで知られる瓦屋根は、沖縄や九州など台風の多い地域でよく見かける屋根材でもあります。
耐久性にも優れており、しっかり施工されていれば、強い台風でも飛びにくいのが特徴です。
ただし、施工の不備や経年劣化でひび割れやズレがある瓦屋根だと、吹き飛ばされることもあります。
対策としては、そうした不備がないか専門業者に確認してもらうと良いでしょう。
最近では「防災瓦」という、強風被害に強い瓦も登場しています。葺きかえるとなれば工事費用がかなりの額になりますが、築年数の古い住まいなどでは、被害を最小限に食い止めるのに適していますので、検討してみてはいかがでしょうか。
・スレート屋根
セメントでできたストレートも、強風に強いとされる屋根材です。
瓦よりも軽量ですが、強風で飛ばされたり崩れたりする被害は少ないといわれます。
ただし、瓦よりも耐久性がないことから、劣化した状態だと釘が抜けて棟板金が吹き飛ぶこともあります。
対策としては、定期的なメンテナンスを欠かさないようにすること。
一般的に、スレート屋根は10年ごとに屋根塗装をし、20年ごとに葺き替え工事を行うのが良いとされています。こうしたメンテナンスにより、被害を最小限に食い止められます。
・ガルバリウム鋼板屋根
金属製の屋根であるガルバリウム鋼板は、安い、軽い、丈夫という三拍子に加え、デザイン性も優れているという点もあって、最近の住まいに人気の屋根材です。
強風に対しては、瓦屋根の次に強いとされており、丈夫な素材でもあります。
とはいえ、経年劣化などで錆びや浮きなどが生じている場合、強風で吹き飛ばされることもあります。
また、ガルバリウム鋼板は長持ちしやすいというメリットがあるものの、下地の野地板などが先に劣化することで被害にあうことも想定されます。
こちらも定期的なメンテナンスを専門業者にチェックをしてもらうようにしましょう。
■まとめ
ここまで屋根の形状、屋根材の特徴などをお伝えしてきましたが、形状や材質も気にしなければいけないものの、もっとも強風対策で大切なのは定期的なメンテナンスです。
屋根材が吹き飛ばされることによる被害は、当事者だけではなく、他人にまで及ぶこともあります。
メンテナンスを怠ったために、自分だけではなく、他の家や人に迷惑をかけてしまうといった事態にならないよう、しっかりメンテナンスをして台風や強風に備えましょう。