
あたりまえのことですが、外壁塗装には「塗料」が必要です。
この塗料を「ペンキ」だと思われている方も多いのではないでしょうか?
実は、厳密にいうと、塗料とペンキは似て非なるもの。外壁塗装にペンキが用いられることは、ほとんどありません。
ここでは、塗料とペンキの違いについてご説明します。
■塗料とペンキは成分が違う
そもそも塗料とペンキは、含まれる成分に違いがあります。
塗料は、「顔料や樹脂、溶剤などを混ぜて作られたもの」です。
これに対して、ペンキは「オイルや合成樹脂を調合したものであり、植物油などで稀釈して使うもの」です。
■耐候性に優れた塗料
塗料もペンキも、「美観を保つ」という点では同じ役割を果たしますが、「建物を保護する」という機能に関しては塗料のほうが数段も優れています。
外壁は紫外線や風雨など厳しい自然環境にさらされ、経年とともに劣化していきます。
それらから建物を守るのが、塗料の役割。塗料の原料にもよりますが、一度塗れば数年から十数年は塗り替える必要がありません。
もし外壁塗装に市販のペンキを用いると、塗料よりも剥がれやすいため、数年たたずに再塗装が必要になります。
コスト的にはペンキのほうが安いですが、何度も塗り返す手間を考えると、塗料の方がコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
また、一般的な外壁はコンクリートが主流ですが、コンクリートはペンキのようなアルカリ成分に弱い特性があります。
すなわち、コンクリートの外壁にペンキで塗装をすると、変色や劣化など、かえって外壁を痛めることにもつながるわけです。
そのため外壁を保護するという点で考えても、塗料のほうが外壁塗装に適しています。
■乾燥時間も塗料が早い
乾燥時間を比べても、ペンキより塗料の方が早く、優れているといえます。
一般的に塗料は1~2日で乾燥しますが、ペンキはこれよりも長くなります。
もっとも、最近では合成樹脂調合ペイントのように早く乾くペンキも登場しています。
とはいえ、対候性の点も含めると塗料の方が優れているといえるでしょう。
■まとめ
ペンキは塗料よりも安価ではありますが、耐久性という点を踏まえると塗料の方が圧倒的に安くなるため、外壁塗装には塗料を用いるのが一般的です。
ただし、場所によってはペンキを用いることもあります。
たとえば、鉄部や木部の部分にはペンキのほうが馴染みやすく、見た目にも良いことからペンキの方が適しています。
このように適材適所で用いることが、建物をより長く美しい状態に保てる秘訣なのです。